猫を拾ったけど保護できない方へ
猫を見つけた
ある日突然猫を見つけても、その場ですぐに保護することが、”その子にとって必ずしも良いこと”とは限りません。例えば子猫を発見した場合、怪我がなく健康そうであれば、ママ猫が世話をしている可能性が高いと言えます。一般的に、子猫の生存率は人よりママ猫がお世話する方が高いため、乳飲み子や子猫を見つけた際は少し離れて様子を見ましょう。見つけた猫が明らかに酷い怪我を負っていたり、全く食欲がない、ぐったりしているなどの緊急時は、(乳飲み子は温めながら)速やかに動物病院へ連れて行きましょう。保護をするかどうかは臨機応変に判断し、保護から譲渡までが出来なくても、ご自身にできることを考えましょう。
保護を頼みたい
ほとんどの保護団体や個人活動家は、保護の専門家でも行政から委託を受けている人でもなく、みなさんと同じ一般人です。家族や仕事、家事、育児、介護などがある日常で、動物のために時間を作って活動しています。特に小規模の団体(NPO法人やNPO、任意団体等)は法人からの寄付が受けられず、その多くが一般市民からの寄付で活動費を賄い、不足分を個人負担しています。
現状は保護団体や活動家への負担が大きく、既に数十匹を保護し過密状態の保護施設もあります。あなたが「助けたい!」と思った命を託す先は、ただ雨風を凌げればどこでも良い、というわけではありません。適切に管理され、必要な医療や譲渡の機会を与えられる環境で保護されるためには、「1つの命を救うための見えない負担」を理解し、まずはあなた自身がその子のためにベストを尽くすことが大切です。
保護依頼が相手にもたらす影響
保護の依頼とは、以下の事項を引き受けることを意味します。
(1) いま保護している動物の飼育時間を削る
(2) 依頼猫用の隔離部屋/場所を作る
(3)(場合により)車を出して捕獲しに行く
(4)(場合により)病院に連れて行き、ワクチン接種、駆虫、不妊手術、必要に応じて治療等を施し医療費を支払う
(5) 依頼猫に合ったフードの購入や、隔離中の世話をする
(6) 他の子たちに感染しないよう配慮する
(7) 隔離期間が終わり異常がなければ/元気になれば、人慣れをさせる
(8) 里親募集し、譲渡会に参加する。ご縁があれば里親宅訪問をして、トライアルを開始し、後に譲渡する。
(9) 里親募集でご縁がなければ、依頼猫が10年か20年の寿命を全うするまで世話を続ける
(10) もしもの災害時の避難準備をする(保存食を揃える)
(11) 病気になったら治療し、高齢になったら介護する
上記の項目は、一見どれも「自分には出来そうにない」と思うことかもしれません。しかしこれら一つひとつを見ると、医療費の負担や一時的なお世話など、あなたにもできる事が見つかるはずです。以下のリストを参考に、まずはあなたが救いたい猫の詳細と、あなたにできる項目や負担可能額を伝え、役割分担で救えるか聞いてみましょう。
“わたしにできること”
現在活動している人も、団体を運営している人も。その多くは、「目の前の1匹を救うこと」をきっかけに活動を始めています。わからないことは複数のメディアで調べ、経験者に聞いたり、SNSでも情報収集や相談をするのも良いでしょう。目の前の命に一番近いあなたがどうするかで、その子のその後が決まります。まずは自身にできることを考えて実行すること、迷いなく周りの人や地域の団体等にアドバイスを聞き、その子にとって適切な方法を探るところから始めましょう。